2020年11月1日日曜日

吉村瞳 最新作『stories』について語る

吉村瞳,stories,Hoy-Hoy Records



2020年秋、最新スタジオ録音アルバム『stories』をコロナ禍で発表した吉村瞳。
アルバム参加ミュージシャンは総勢19名。金子マリ、桑名晴子、細井豊(センチメンタル・シティ・ロマンス)、チャールズ清水(ソー・バッド・レヴュー)、松田ari幸一(ラストショウ)、駒沢裕城(はちみつぱい)らベテラン勢が集結。ミュージシャンとしての吉村瞳が持つ素養を彼らから垣間見ることができる。しかし、レコーディング終盤で緊急事態宣言が発令されたため完成直前で中断。
「残りは駒沢裕城さんのペダルスティールとストリングス・カルテットとの録音、松田ari幸一さんのハーモニカを残すのみだったんです」
本来ならば5月末に発売を予定していたものが、レコーディング再開が6月になったために発売は秋になってしまった。その時点でもツアーを再開することはできず、吉村瞳のライヴはリモートか、もしくはSNSでのみしかその歌声を聞くことができなかった。
年間100回以上のライヴ数をこなす吉村瞳にとっては生殺しのような日々。苦しい時間だったに違いない。

吉村瞳 もちろん、いろいろなことを考えました。ずっと部屋にいましたから(笑)。
全曲オリジナルであることもはじめてだったし、たくさんのミュージシャンに支えてもらって作ったので自信もあります。それだけにツアーをして、直接聞いてもらっいたいと願っていました。

Q : それでリモート・ライヴをはじめたわけですね。
吉村瞳 リモート・ライヴをはじめたのは5月でした。はじめてだったのでスマホだけでやったんです。まだ半年しか経っていないのに、今では考えられない暴挙ですね(笑)。
『stories』が発売されてからは毎週月曜日22:00から1時間ほどインスタグラムでもライヴをしています。これはとてもラフな感じで、自宅からの配信です。わたしは新しいモノ好きなんでクラブハウスでもうたっているんです。長いときには4時間ぐらいうたっていて、いろんな人とコラボしたりとか……友だちがいないんでクラブハウスでうっぷんを解消しているんです。わたしの歌を聞いてもらうというよりは、MCの練習をしている感じです(笑)。

Q : 『stories』というアルバムを作ろうとアイディアはどうして生まれたのですか?

吉村瞳 たまたま平成から令和に変わる夜(2019年4月30日)に「sotries」という歌ができたんです。わたしの甥っ子や姪っ子にあてた歌なんです。新しい時代をたくましく生き抜いて、というものなんです。

日本語詩のオリジナルはその少し前から書きはじめていて、そのための用意ははじめていました。以前に書いた英詩のものを日本語詩にしたり、以前に書いたものを手直ししたりして。で、その年の夏ぐらいから未完成のものも含め、どんどんとオリジナル曲が貯まってきたんです。11月に九州ツアーへ出るころには日本語詩のオリジナル(未発表曲)が30曲ぐらいになっていて、そこから絞り込んでアルバムを作ろうということになりました。

時系列でいうと、九州ツアーの途中でセンチメンタル・シティ・ロマンスの細井豊さんに電話して「アルバムを作りたいので手伝ってください」とお願いしたんです。それでその2日後ぐらいのライヴで「Lean on Me」をうたったたら、お客さんから「金子マリさんを思い出すので、一緒にうたっているのを聞いてみたい」といわれたんでう。わたしにしてみれば、え〜そんなぁ! って感じで、恐れ多い。でもせっかくなので、図々しいですけどお願いしたら快諾していただいたんです。

Q : 全曲オリジナルだけど「Lean on Me」は特別?

吉村瞳 はい、そうです。「Lean on Me」はボーナストラックという扱いにさせていただきました。でも『stories』のなかでは一番最初にレコーディングしたんです。2020年2月28日でした。

Q : 金子マリさんとは以前から交流があったんですか?

吉村瞳 何度かライヴに呼んでいただいたことがありました。わたしと本夛マキとふたり。そのときに本夛マキさんから「Lean on Me」のカヴァーをすすめられたんです。



アイディアは以前からあって、というか、『stories』を全曲オリジナル曲にしたので、カバー曲ばかりのアルバムも作ろうとしていたんです。校生の時に軽音楽部に入って……プロになろうとか、そういう意識はなかったんですけど、高校のときのその3年間が、女子校だったんですけど、こんなに楽しいことがあったのかと思うほど楽しくて、卒業するときも父が「なにもしないで後悔するよりも、やりたいことをやって後悔しなさい」と後押ししてくれたので、そのまま音楽活動をするようになりました。 

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